妥協をする事と忍耐を持つ事は、結果的に同じように見えてもその中身が全然違う。妥協を許さない頑なな姿勢は、時に大切な局面での柔軟な判断力を鈍らせる、かと言って「このくらいでいいかな」という覚悟で物事と向き合うと、後々とんでもない目にあったりする。そうこうしてる内に「ああ、ゴールを設定する事がそもそもの大きな間違いなんだ」という事に気づかされる。稽古はだいたいがその繰り返し。
「出来てないんだから笑ってる場合じゃない。」というのがまぁ一つの考え方。でも韓国の伝統芸能は、「出来ないんだったらせめて思い切り笑え。」と教えてくれる。果てのない伝統芸能の世界にあって「出来ない」限り笑えないんだとすれば、お爺ちゃんになっても笑えないって事だし、そもそも表現活動にはいつまでたっても「出来ない」何かが常にある。で、もちろん俳優も同じで。つまり「出来るまで」とか「出来るようになる」なんてのは何かと比べた時の基準とか言い方でしかなくて、大切な事はもっと他にある。
「自信を持つための努力とは、己を知ること」
なかなか難しい言葉ですが、一つには「自分の喜び」を知る事なのだと思います。これもとある韓国伝統芸人の言葉。そして己を知ることにもまた、終わりはないのである。そうこうしながら、笑っている事が此れ大事なのである。
まぁ、今の稽古はブログの滞りを見ても分かる通りとてもじゃないけど笑っている場合じゃないんですがね、けどそんな時大切なのはやっぱりね、思い切りみんなで笑っている事なんですね。そのうち少しでも何かがわかる日のために、僕は明日も笑って過ごします。